日産 国内で北米向けSUV増産 年10万台追加

日産自動車は2017年春をめどに、新車市場が好調な北米向けの多目的スポーツ車(SUV)を国内で増産する。年産規模は約10万台。16年春には北米向けの別の車種の生産を国内で始めることも決めており、14年度に87万台だった日産の国内生産台数は110万台規模に回復する見通し。円安を背景とした国内での増産は部品など関連産業への追い風となりそうだ。

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生産子会社の日産自動車九州(福岡県苅田町)で「キャシュカイ」の生産を始める。複数の部品メーカーに方針を伝えた。キャシュカイは英国工場で生産しているSUVで、欧州を中心に年30万台程度を販売している。国内市場が伸び悩むなか、円安でコスト競争力のついた国内工場を米国やカナダへの輸出拠点として活用することにした。日産が同車種を米国で売るのは初めてとなる。

 日産は設計手法の見直しなどにより、同じ車型なら世界のどの工場でも生産できる体制作りを進めている。需給や為替の変動に機動的に対応する狙いで、すでに北米向けSUV「ローグ」(日本名エクストレイル)を日産自動車九州で16年春から年10万台規模で生産することを決めている。

日産の14年度の国内生産台数は約87万台と、日本の自動車輸出が本格化した1960年代以降で初めて年度ベースで100万台を割り込んだ。新興国での現地生産の伸展で輸出が減っていることや、消費増税後の国内市場の伸び悩みが背景だ。日産では国内の開発力や雇用を維持するうえで必要としている「国内生産100万台」の回復が課題となっていた。

 米国では景気回復やガソリン安の恩恵を受け、14年の新車販売が8年ぶりの高水準。日産の米国での生産・販売も14年度は過去最高を記録、15年度に入っても勢いは続いている。生産設備が余っている日本を活用して、米国での供給力不足を補い、販売を底上げする。

 自動車業界では円安を受け、海外で生産していた車種の一部を日本で生産する「国内回帰」の動きを強めている。トヨタ自動車は北米で売る主力セダン「カムリ」について、17年発売の新モデルから一部の生産を国内工場に切り替える方針。同車は11年以降、ほぼ全車を海外工場でつくっていた。ホンダも年度内に、北米で売る主力小型車「フィット」の生産の一部をメキシコ工場から寄居工場(埼玉県寄居町)に切り替える方針だ。

 クルマに搭載される部品は約3万点に上るとされ、部品メーカーを含めた裾野全体では「日産単体の4~5倍の雇用波及効果が見込める」(日産)。ただ、部品メーカーもかつての円高下で現地生産化を進めており、人材確保や部品供給網の整備が課題となりそうだ。
日本経済新聞


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by ganbaremmc | 2015-08-14 20:16 | 日産 | Comments(0)