ルノー前CEO「 利益最優先の風潮に問題 」VW不正巡り

排ガス試験のときだけ有害物質を減らすソフトウエアをディーゼル車に搭載した独フォルクスワーゲン(VW)の不正が波紋を広げている。欧州の自動車産業の盟主はなぜ、不正に手を染めたのか。影響はどこまで広がるのか。仏ルノーの前最高経営責任者(CEO)、ルイ・シュバイツァー氏に聞いた。


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VWの不正をどう受け止めていますか。

「ディーゼル車は(走行距離が長い)米欧の平均的な条件では、二酸化炭素(CO2)の排出がガソリン車や、充電しないハイブリッド車よりも少ない。さらに生産コストもハイブリッド車より大幅に安い。温暖化ガスの排出を減らすという点で、ディーゼル車はガソリン車より優れている。一方でディーゼル車は窒素酸化物(NOx)など有害物質を排出する」

「排ガス規制はコスト面で負担になるだけでなく、燃費と馬力の低下につながる。このため、約15年前には大型車の排ガス浄化で不正事件があった。VWが手を染めたのも同じだ。VWの不正は許されず、高い代償を払うだろう」

 
VWの問題から得られる教訓は何ですか。

「1つ目に企業内に規則を守るという職業倫理を確立することが不可欠だ。利益が最優先で、ルールや職業倫理を軽視する風潮は問題だ。2つ目は欧州特有の事情だが、当局は実際の走行条件に合った検査に改めねばならない。VWの不正を米当局に警告したのは非政府組織(NGO)だった。これができたのは米検査が実際の走行に近い内容だったからだ」

「3つ目は、これを機にディーゼル車を禁ずるべきでない。すべての大型車はディーゼル車だし、都市圏外での走行が多い欧州ではディーゼル車の利点がある。ただディーゼル車特有の優遇税制などは徐々になくなるだろう」

欧州のメーカーはなぜディーゼル車に力を入れたのですか。

「欧州では燃料に対する課税が大きく、燃費が良い車をつくる必要性が大きい。そのため燃料消費の少ないディーゼル車が選ばれた。米国では燃料が安く、燃費の良い車の価値がそれほど高くない。大都市が集まる日本は長距離走行はそれほど必要なく、短距離を小型車で移動する用途が多い。ディーゼル車は中型車以上に適している」


この問題はほかの企業でも起きえますか。

「これはVWの問題だ。この不正は米規制をきっかけに発覚した。ルノーやフィアットなどは米国に輸出しておらず、BMWなどは別の技術を使っている。短期的には欧州でのディーゼル車販売は減るだろう。排ガス規制の強化にもつながり、価格上昇を招く。メーカーには影響があるはずだ」

「世界的な現在の優先課題である温暖化ガス削減ではディーゼル車はハイブリッド車と同じくらい効果的だ。ディーゼル車を犠牲にするのは賢明な選択ではなく、今後も規制を強め、環境対策に貢献するようにすべきだ」


各国で規制が異なるという問題もあります。

「日米欧の先進国ではディーゼル車への規制が段階的に進めばその差は小さくなるとみている。だが新興国は別だ。厳しい規制は自動車の販売価格を引き上げ、燃費の悪い古い車を持ち続けさせることになる。新興国で必要なのは燃料の質の規制だと思う。質の悪い燃料を消費することが、大気汚染につながっている」


VW問題がM&A(合併・買収)につながる可能性は。

「自動車業界で常にM&Aは起きてきたが、予想される規制強化に大手メーカーは技術的に対応できる能力を備えている」
日本経済新聞


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by ganbaremmc | 2015-10-07 17:23 | 海外メーカー | Comments(2)

Commented by あのに at 2015-10-07 22:44 x
じゃあ日産のつまらないラインナップをどうにかして欲しいですね。
じゃ無ければいい加減日産を手放してください。
半国営企業の元に日産を置いとかないでください。
と言いたい。
Commented by フォルティス at 2015-10-07 23:49 x
あのに殿 賛同さます!