スバル 吉永社長に聞く

優れた経営手腕で経済界に新風を送り、
社会的、文化的な活動を通じて国民生活の発展に
貢献した経営者を表彰する「毎日経済人賞」の第36回受賞者に、
吉永泰之・富士重工業社長が選ばれた。
吉永氏に経営への考えと企業の将来像を聞いた。 

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−−大胆な選択と集中に踏み切ったのはなぜですか。 
吉永氏 
若いころから「この会社は、いつか詰んでしまうのでは」という思いを持っていました。富士重工業は、前身の「中島飛行機」以来の技術者の集団で、いいものを作ろうとの思いがとても強く、その分、高コスト体質でした。ところが、主力商品はコスト競争の激しい軽自動車。富士重工業の特徴と主力商品との組み合わせに無理があると思っていました。低価格車で新興国に攻勢をかけるのが自動車業界の常識ですが、富士重工業はコスト競争が苦手で、多くの車種をそろえる経営資源もありません。軽自動車の開発に携わっている設計陣を全部、付加価値の高い車に持っていく道しかなかったのです。 

−−北米で成功しました。 
吉永氏 

富士重工業の規模では全世界まんべんなく展開するのは無理です。
「利益が出る可能性はどこが一番高いか」と考えると、市場が大きく、ディーラー網もある米国だとなりました。そこで利益を出せれば、よそへの投資に回せます。環境の時代が来るのは確実だったので、試験研究費も増やさなければなりません。当時の富士重工業の年間の試験研究費は約500億円でしたが、今年は倍の約1000億円です。それでもやっと道が開けるかどうかですから、その意味でもほかに選択肢はありませんでした。 

−−衝突回避システム「アイサイト」も大ヒットしました。 
吉永氏
 
20年間以上、地道に研究を続けてきた技術陣のおかげです。
「がんばり続けたのはなぜ」と聞くと「事故を減らしたいから」。名誉心も出世欲もなく、ただ、技術陣としての良心がありました。アイサイトに着目して、ヒットさせたと言っても、長年の研究の蓄積がなければ着目のしようがありません。 

−−強みを引き出す秘訣(ひけつ)は。 
吉永氏 

かつては自分たちの強みの議論が社内でなかったという感じでした。
コスト競争力が弱いとか、コスト低減をもっとやらなきゃいけないとか、常に弱点の話にしかなりませんでした。そうではなくて、「ここだけはすごいよね」という議論をすれば、雰囲気は変わります。自分たちの強みやお客様に提供できる価値は何かを改めて議論し、たどり着いた答えが「安心と愉(たの)しさ」という言葉でした。 

−−選択と集中への不満もあったのでは。 
吉永氏 
経営は結果です。結果が出始めたことで支えられました。
アイサイトは、国内ディーラーの再編など、販売体制の立て直しに取り組んでいた時期に導入しました。この活動は長くは引っ張れないと思っていた中、アイサイトのヒットで空気がいっぺんに前向きになりました。ディーラーの損益分岐点が下がったので、がんばればがんばるほどもうかる好循環になり、全国すべてのディーラーが黒字になりました。 

−−次の経営課題は。 
吉永氏 

環境対応です。各国の規制はどんどん厳しくなっています。
それぞれに時期や内容の異なる規制に対応していくことは、技術的にも、コスト的にもとても大変ですが、力を結集して乗り越えなくてはなりません。そして、世界の各地でスバルの車を望んでいただいているお客様にお届けしたいと思っています。お客様に少し高くても選びたいと思っていただけるまで、スバルブランドを高めることができれば、環境技術のコストは吸収していけるのではないかとみています。
【聞き手・東京本社経済部長、塚田健太】

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by ganbaremmc | 2016-02-08 19:54 | スバル | Comments(2)

Commented by クーペSUV待ち at 2016-02-08 21:14 x
かっこいい!
Commented by prodrive_555 at 2016-02-08 23:03
お~い 誰か~

スバルの吉永社長の爪の垢を煎じて
三菱の相川社長に飲ませてやってくれ!!!