三菱自 日産傘下で安堵も一転、水島の下請け企業は不安に

三菱・日産の電撃的な提携で新局面を迎えた地元自動車業界。
水島製作所と取引のある部品メーカーの受け止め方は複雑だ。  
協力会社12社でつくる協同組合ウイングバレイ(総社市)の昼田真三理事長は 「日産系の部品メーカーとの受注競争は激しくなるだろう」と見通す。 今回の提携では、日産が技術者を派遣して三菱車の開発に協力するほか、部品を両社共同で購入していく方針が示された。売上高が1千億円や1兆円規模の部品メーカーがひしめく日産系に対し、三菱自系は地元で比較的大きな協力会社でも300億円に届かない。 倉敷市内のメーカー幹部は「開発力に優れ、世界各地に部品を供給できるようでなければ直接取引は難しくなるかもしれない」と話す。  

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その兆候は既に表れている。
18年度に発売予定の軽自動車の次期車は、これまでの三菱自主導ではなく、初めて日産主導で共同開発中。それが今回の不正問題発覚にもつながったのだが、水面下では部品の調達先の選定が始まっており、総社市内の部品メーカー社長は「主要部品の多くは技術力の高い日産系になりそう。 三菱自の系列には声が掛かりにくくなっている」と打ち明ける。  水島製作所では、軽の次期車のほかにも、19年度に発売予定のスポーツタイプ多目的車「RVR」を生産することが固まっている。 「軽自動車だけでなく、乗用車も日産主導の部品調達になったら今まで通り仕事を回してもらえるかどうか」。 三菱自との取引が4割という井原市の3次下請けの社長は不安な表情を浮かべる。

生き残りへどう活路を切り開くか―。
自動車メーカーの経営戦略に詳しい獨協大経済学部の黒川文子教授は「地元部品メーカーは水島製作所に近く、輸送などのコスト面で有利。規模は小さくても、燃費が良くなる軽量素材などオンリーワンの技術を磨くことが重要だ」と指摘する。
三菱自が日産よりシェアで上回り、知名度も高い東南アジアに目を向ける部品会社も多い。三菱自がタイ、フィリピンに続き、来年春にインドネシアへ工場を新設することから次々と現地へ進出。海外から“反転攻勢”の機会をうかがう。東南アジアに工場を持つ岡山県南部の部品会社社長は「海外は市場が大きく、系列色も薄い。三菱自以外からの受注のチャンスも広がる」と先を見据える。
18日、都内で会見した三菱自の益子会長は「これからも水島で車を造り、その結果として総社、倉敷市の部品メーカーも一緒に生きていく形を何とか整えたい」と話した。三菱自が燃費不正問題を乗り越え、日産傘下で再建を果たし、地元経済にとってプラスの効果をもたらせるか。企業城下町もこれから正念場を迎える。
山陽新聞

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by ganbaremmc | 2016-05-22 19:15 | 三菱自動車 | Comments(0)