スバル 米生産増強でも為替依存度が高くなる

富士重工業に逆風が吹き付けた。
2日に下方修正した2017年3月期の連結業績予想は純利益が前期比4割減に落ち込む。最大の原因は円高だ。主戦場の米国を中心に販売は絶好調。世界販売台数は106万2000台と過去最高を更新する見通しとはいえ、為替が円高に少し傾くだけで、収益は大きくぶれる。新車販売で快走が続く裏でジリジリと進む米国依存のリスクが隠しきれなくなってきた。

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富士重にとって米国内で唯一の生産拠点であるインディアナ工場。決算発表の数時間前、製造ラインから記念すべき「1台目」が送り出された。米国で初めて生産された「インプレッサ」だ。 インプレッサの米国生産が始まり、富士重が「レガシィ」、「アウトバック」に続き、3車種を現地で生産する体制が整う。富士重の米生産子会社SIAのトム・イースターデー副社長は「富士重だけでなく、米国中の部品サプライヤーにも新規雇用が生まれる」と胸を張った。 富士重にとって、現地生産を増やすことは長年の念願。販売台数の7割弱を北米向けが占めており、供給力の拡充と為替リスクの軽減の両面で最重要課題になっていたからだ。米国の生産能力は今年3月末時点の年間21万台から、2年後には43万台とほぼ倍増する。 しかし、富士重の「米国依存症」が軽減されるかというと、話はそう簡単ではない。対ドルの円相場が収益に与える影響額は2017年度以降、むしろ拡大する見通しだからだ。
足元ではドルに対して1円円高に振れると営業利益で年間100億円の押し下げ要因になる。しかし、来期は「105億~110億円になる」(高橋充最高財務責任者=CFO)と見ており、利益への影響は大きくなる一方だ。 現地生産でドル建ての部品調達などが増えれば、米国販売での採算も高められる。これまで米国向けの輸出にあてていた日本国内での生産分をアジアや欧州などほか地域に振り向ければ、「米国以外」の海外販売で攻勢に転じる余裕も生まれるはずだ。 それでも為替による影響額が増えるのはなぜか。 理由の1つは販売の米国依存が一段と高まりつつこと。米国市場が頭打ちになるなかで、富士重はいまだに「入荷待ちの状態が続いている」(吉永泰之社長)。 米調査会社オートデータが1日にまとめた10月の米新車販売台数では、米ゼネラル・モーターズ(GM)など米国勢のほか、トヨタ自動車が9%減、ホンダが4%減と日本勢が軒並み苦戦。それらを尻目に、富士重は4%増と好調が続いている。現地生産を増やしたとはいえ、まだ足りない。
2つめはスバル車の心臓部ともいえる「水平対向エンジン」の海外生産に踏み切れないことだ。富士重によると、「水平対向エンジンを製造するには金属加工などの高い技術が必要で、海外工場に技術移管するのは現時点では難しい」。車体は現地生産に切り替えられても、エンジン部分は国内から輸出するため、台数が伸びる分だけ輸出額は増え続ける。 富士重は2日、2017年3月期の連結業績予想を下方修正。純利益が前期比4割減の2780億円になる見通しを示したが、米国依存のリスクが大きくなるのはこれから。快走の裏で進む米国依存症への処方箋を描いていけるのか。 フル稼働が続く工場への設備投資や安全技術などの開発費用が増えれば、収益の振れを許容しにくくなる。富士重は来年4月には社名を自動車ブランド名と同じ「SUBARU」に変更し、自動車事業に経営資源を集中していく姿勢を示しつつある。新生SUBARUがいずれ大胆な戦略転換に踏み込む日も近いかもしれない。
日本経済新聞
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by ganbaremmc | 2016-11-08 20:15 | スバル | Comments(2)

Commented by at 2016-11-08 22:17 x
俺はスバルに乗ってるし車作りの姿勢は好きだが北米一本足で国内軽視のスバルは不愉快に思っていて今の状況にはざまあみろと言いたい

三菱のPHEVを除く車作りの姿勢や企業文化は大嫌いだがアジアに販売網とブランドイメージを持ってる三菱は今後伸びると思う
Commented by Def at 2016-11-09 16:03 x
トランプ新大統領はスバルに逆風をもたらすか、あるいは……。