三菱自水島製作所 夜間生産開始も安心できない現状

三菱自動車は28日、
軽自動車をつくる水島製作所(岡山県倉敷市)の夜間生産を再開した。

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燃費データ不正の発覚後、昼夜2交代制に戻るのは7カ月ぶり。
販売は回復しつつあり、危機を脱したが安心はできない。筆頭株主となった日産自動車の流儀が持ち込まれ、グループの厳しい工場間競争にさらされるからだ。 28日夜、水島に従業員が緊張した様子で出勤してきた。ラインは静かに動き出し、主力の軽「eKシリーズ」などの組み立てが始まった。須江隆行所長は「関係者に多大なるご迷惑をおかけした。気を引き締めてしっかりと品質を作り込んでいく」と語った。生産は10月まで7カ月連続の大幅減だったが、12月は軽だけで2万台と不正発覚前の水準となる見通しだ。 
ただ状況は依然厳しい。軽の販売は前年並みに戻ってきたが、あるディーラー幹部は「社員や協力会社、地元自治体の購入で支えられているだけだ」と指摘する。三菱自の池谷光司副社長は「10月以降も厳しさが続く」と語る。2017年3月期の最終損益は2396億円の赤字(前期は725億円の黒字)に転落する見通しだ。 水島は日産ブランドを含め共同開発した軽を生産してきたが、不正前と大きく変わったのが日産との関係だ。10月に34%の出資を受けたからだ。 
今月1日、三菱自は都内で部品会社と会合を開いた。
三菱自の最高執行責任者(COO)となった元日産幹部のトレバー・マン氏が登場。「三菱自を変える。部品会社とともに改善を進めたい」と呼びかけ、日産流の導入を宣言した。 そのひとつが工場間競争だ。日産はモデルチェンジのたびに生産拠点を白紙から見直す。決め手はコスト。工場間で競わせ、最も合理的な工場に生産を移す。猛烈な競争環境が日産の底力を引き上げてきた。 今のところ水島の競争力は維持されている。日産との協議で共同開発中の軽の次期モデルは水島でつくることが決まった。18年から生産する見通しだ。小型車主体の日産の追浜工場(神奈川県横須賀市)より安くつくれると判断された。 だが水島がコスト競争力を維持できる保証はない。国内の軽需要は振るわない。水島は輸出できる軽以外の車種も手がけており、その生産ノウハウを磨く必要もある。軽以外で生産効率を落とせば、存在意義は弱まる。 部品会社にとっても試練だ。日産のカルロス・ゴーン社長は「競争力のない部品会社は水島周辺であってもなくても、日産・仏ルノー連合向けの事業を失う」と警告する。 「日産や三菱自には長期的な視点で取引をしてほしい」。三菱自の協力会社で組織する協同組合「ウイングバレイ」の昼田真三理事長(ヒルタ工業会長)は訴える。その一方で「日産向けのビジネスチャンスも広がる」とも期待する。試練を乗り越えれば、業績を拡大できるわけだ。 三菱自の城下町である「水島経済圏」は今後、日産にがっちり組み込まれても存在感を発揮できるか。その結果は三菱自の存在価値につながる。
日本経済新聞


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by ganbaremmc | 2016-11-29 05:51 | 三菱自動車 | Comments(0)