三菱自臨時株主総会3000人の会場で集まったのは317人

新生三菱自動車の船出の場としてはあまりにも寂しいものだった。
臨時株主総会に出席した株主は
わずか317人と今年6月の定時株主総会の出席者数を4割も下回った。

7a


「株主の関心の高さに応える」(広報)として3000人収容可能な「幕張メッセ」(千葉市美浜区)のホールを会場に用意したが、ガラガラの会場を見てゴーン新会長は何を思ったことだろう。燃費不正問題を契機に日産から34%の出資を受け入れ、日産の傘下となった三菱自。益子修社長兼CEOは「日産からスキルや人材などの支援を受けながら、自らの手で信頼と業績の回復を進める」と話した。三菱自は新経営体制への移行に伴う組織改正についても発表。2017年1月に、部門制度を廃止し、機能軸で組織再編を行う。組織のフラット化と階層の簡素化で意志決定を早め、コミュニケーションの円滑化を図るのが目的だ。益子社長は役職ではなく、「さんづけ」で呼び合う活動を展開していることも明らかにした。「従来は問題が起きても解決策がないと相談できない雰囲気だったが、問題が起きた時にすぐに相談できる関係を目指す」のが狙いだ。臨時株主総会では8人の株主が質問に立ったが、その大半は厳しいものだった。特に注目を集めたのが、役員報酬に業績連動分を加えることで、その上限を現在の9億6000万円から20億円に引き上げ、株価に連動する報酬を上限10億円(社内取締役のみ)で支給するという議案だ。報酬限度額は合計で30億円となり、2015年度に社外取締役を含めて14人の取締役に支払った総額4億7000万円の6倍を超える水準だ。株主の質問も「今期が2400億円もの最終赤字に転落する見込みの中で時期尚早だ」「不祥事を起こしたことに対して反省していないことが疑われる」など、この点に集中。増額の幅そのものよりも、増額をしようとしていることが批判された形だ。

益子社長は「改革を推進するにも優秀な人材が欠かせない。今の報酬水準は他企業と比べ見劣りし、人材が集まらない」「同業他社や同規模の企業の報酬水準を参考にして額を決めた」と回答した。結局、この議案は賛成多数で可決されたものの、株主から十分な理解が得られたとは言い難い。今回の役員報酬増額には高額報酬で知られるゴーン新会長の影響が強いとの見方が自動車業界では一般的だ。ゴーン社長はかねてから日産の株主総会でも「優秀な人材確保には他社と競合できる報酬水準が欠かせない」と主張しており、自らが新会長を務めることになる三菱自にも「ゴーン流」を持ち込んだ格好だ。ゴーン氏は2015年度に日産から過去最高の10億7100万円という役員報酬を得た。一方、会長兼社長兼CEOを務めるルノーからは725万ユーロ(約8億9000万円)の報酬を得たが、報酬額を巡っては一波乱があった。

ルノーは2015年度が増収増益にもかかわらず、ゴーン氏の報酬には「高額過ぎる」との声が出て、議決権比率で54%の株主が反対した。株主総会後の臨時取締役会は減額をしないことを決めたが、2016年度以降は業績連動分を20%減額することになった。実際に総会に参加した株主はどのような感想を持ったのか。東京の70代の男性は「提携を成功させるというゴーンさんのメッセージに希望が持てた。三菱自と日産の技術力が融合すれば、競争力も高まり、三菱自の信頼回復にも繋がる」と提携後の開発面での協業に期待を寄せる。一方で、15年ほど三菱自株を保有している東京の70代の女性は「役員報酬の増額は時期尚早。業績が回復してからの話」と批判した上で「燃費不正は言語道断。三菱自には日本車メーカーとしてのプライドを持った経営をして欲しい。改革の行方がどうなるかを見守りたい」と話した。3年ほど三菱自株を保有している東京の72歳男性は「不祥事を繰り返さないようにするにはやはり会社の体質改善が重要。日産やルノーから管理職などの社員が来て、外の風を吹き込めば三菱自も変わるのではないか」と話す。実際に株主からは「中間管理職の体質が変わらないと三菱自は変わらない」との質問も出た。益子社長は同じ認識を持っていることを認めた上で、「日産、ルノーとの交流が深まり、仕事の仕方を学んでいる。会社の風土を変える大きな力になる」と話し、日産・ルノー連合に加わったメリットを最大限に活かす考えだ。三菱自は燃費不正に伴う補償が響き、今期最終赤字に沈むが、来期はV字回復させる決意だ。日産との協業で来期は営業利益率の1%改善と営業利益約250億円のシナジー(コスト削減効果)を見込む。業績の回復は最も分かりやすい提携の効果だが、企業風土のような数値化できない領域での改革をどう実現するか。日産は三菱自の株を10年間は第三者に譲渡しないことを大株主の三菱御三家と合意している。「再生請負人」の異名を持つゴーン氏の本気度が試されることになる。
toyokeizai.net


[PR]

by ganbaremmc | 2016-12-15 08:11 | 三菱自動車 | Comments(0)