日産、好調の波続くか 三菱自のタイ拠点どう活用

日産自動車の国内の工場や販売店が活況を呈している。
堅調な北米向け輸出に加え、小型車「ノート」が日産車として、およそ30年ぶりに月間販売台数で首位になるなど、一人気を吐く。日本での販売台数は全体の約1割だが、目の肥えた日本のユーザーが認める車を作れる開発力や技術がなければ世界では戦えない。傘下に収めた三菱自動車の活用などで好調を持続できるか、問われている。 
日本自動車工業会が28日発表した11月の国内生産台数は前年同月比6.6%増の84万330台と2カ月ぶりに増加した。国内消費の回復が足踏みするなか、55%増の10万3664台を生産し底上げに貢献したのが日産だ。 「もっとタマ出しを急げ」――。日産車体九州(福岡県苅田町)には6月から生産を始めた北米向けの大型多目的スポーツ車(SUV)「アルマーダ」の増産要請がひっきりなしに届く。原油安を背景に北米では大型のSUVやピックアップトラックへの需要シフトが発生。これに伴い、同社の工場では10月中旬から24時間フル稼働の体制に切り替えた。日産だけでなく三菱自からも応援要員を呼び寄せた。 
隣接する日産の九州工場でも同じ北米向けSUV「ローグ」の輸出が高水準で推移。
日産の11月の輸出台数は6万4372台と48%増加した。 国内販売も久しぶりに明るい話題が相次いだ。モーター駆動の軽快な加速性能が受けたハイブリッド車(HV)ノートに加え、ミニバン「セレナ」は自動運転技術「プロパイロット」が評価され、日産の11月の国内販売は14.3%増の4万7758台と30カ月ぶりに前年実績を上回った。 ただ、現在の高い国内生産の水準をもってしてもカルロス・ゴーン社長が「国内のものづくりの競争力維持に必要」と話す年間100万台の生産台数の確保には4年連続で届かない見通し。国内で生産される10台のうち6台が輸出に依存するなど、円高に振れれば国内工場の稼働率は一気に落ち込む危うさを抱える。 

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そこでカギを握るのが三菱自の活用だ。
三菱自の水島製作所(岡山県倉敷市)では日産から派遣された三菱自の山下光彦副社長らが陣頭指揮をとり、工場敷地内で部品をつくって直接供給する「インサイト化」と呼ばれる生産手法を推進。物流費削減や生産期間の短縮を進めている。 こうした手法はタイに進出する日本車メーカーのうち、単一工場では最大級の年間42万台の生産能力を持つ三菱自の拠点にも導入する計画だ。17年に本格化させる部品の共同購買とあわせて、両社が日本で培った技法を三菱自が強みを持つ東南アジアの拠点で生かし、トヨタ自動車やホンダに比べ出遅れている同市場で巻き返しの起爆剤にする考えだ。 16年度は世界シェア8%、売上高営業利益率8%を目標とする中期経営計画「日産パワー88」の最終年度だが、電気自動車(EV)「リーフ」の苦戦などで達成は難しくなった。これまでの仏ルノーなどとのアライアンスのノウハウをどう三菱自で生かすのか。次期中期計画を見るうえでも大きなポイントになる。(白石武志、花井悠希)
日本経済新聞


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by ganbaremmc | 2016-12-29 09:24 | 日産 | Comments(0)